昔は水のあるところならどこでも乱舞していたホタルですが、農薬や護岸工事の影響で、いつの間にか姿を消し、残念ながら今や名古屋市内ではごくわずかな場所でしか見ることができなくなってしまいました。
一見、当たり前と思いがちな水や空気の存在ですが、都市の暮らしの中では放っておけばどんどん汚染され、きれいな環境の中でしか生きられない生物はだんだん抹殺されていきます。清流にすむホタルがいなくなったということは、そうした自然環境が失われてしまったということを示しているのです。
環境に敏感なゲンジボタルが卵を産み、その卵が再び成虫となって乱舞してくれるためには、いろいろな条件が必要です。
1.水質 |
◆pH7以上の弱アルカリ性の水であること
◆炭酸カルシウムの含量が多い水であること
◆BOD(水中の微生物が水の汚れの原因となる物質(微生物)を分解するときに必要とする酸素の量)が2mg/l以下で、有機物が少ない水であること。
◆水の中に酸素が多く含まれていること(溶存酸素量は7mg/l以上、飽和度90%以上)。
◆水温は年間を通して25度以下であること。
◆農薬や合成洗剤といった毒物が含まれていない水であること。 |
2.河床形態 |
◆幼虫が流されないぐらいの穏やかな流れがあり、河床には身を潜めることができる浮き石や砂があること。 |
3.エサ |
◆エサとなるカワニナがすんでいること。
カワニナ 水底にすむ巻き貝。直径2mm、殻高30mm |
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