ホタル飼育事業
1992年から2007年6月まで環境保全の一環として実施

1.名古屋瑞穂ロータリークラブの地域環境へのかかわり
文明を生み出し、より豊かな暮らしを追い求めてきた人間の行動が、いつの間にか自分たちの土台である地球を滅ぼそうとしている。どこかで見失ってしまった人類の生きる方向を、私たちは今一度考え直す必要があるのではないでしょうか。

環境問題というと、地球温暖化による異常気象やダイオキシンなどの有害物質、希少動物など、とてつもない大きい社会問題と思いがちですが、汚水を川に流さない、ゴミを出さない、リサイクルを心がけるなど、毎日のささやかな積み重ねで解決できる問題もたくさんあります。


名古屋瑞穂ロータリークラブでは、早くから「地球にやさしい環境を」の合い言葉のもと、個々人の意識改革を呼びかけ、社会奉仕委員を中心にポスターの作成配布などいくつかの奉仕活動をしてきました。そうした活動の中で出会ったのがホタルでした。





2.ホタルの棲める環境とは

昔は水のあるところならどこでも乱舞していたホタルですが、農薬や護岸工事の影響で、いつの間にか姿を消し、残念ながら今や名古屋市内ではごくわずかな場所でしか見ることができなくなってしまいました。

一見、当たり前と思いがちな水や空気の存在ですが、都市の暮らしの中では放っておけばどんどん汚染され、きれいな環境の中でしか生きられない生物はだんだん抹殺されていきます。清流にすむホタルがいなくなったということは、そうした自然環境が失われてしまったということを示しているのです。

環境に敏感なゲンジボタルが卵を産み、その卵が再び成虫となって乱舞してくれるためには、いろいろな条件が必要です。

1.水質 ◆pH7以上の弱アルカリ性の水であること
◆炭酸カルシウムの含量が多い水であること
◆BOD(水中の微生物が水の汚れの原因となる物質(微生物)を分解するときに必要とする酸素の量)が2mg/l以下で、有機物が少ない水であること。
◆水の中に酸素が多く含まれていること(溶存酸素量は7mg/l以上、飽和度90%以上)。
◆水温は年間を通して25度以下であること。
◆農薬や合成洗剤といった毒物が含まれていない水であること。
2.河床形態 ◆幼虫が流されないぐらいの穏やかな流れがあり、河床には身を潜めることができる浮き石や砂があること。
3.エサ ◆エサとなるカワニナがすんでいること。
カワニナ 水底にすむ巻き貝。直径2mm、殻高30mm


 
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